親愛なる読者の皆さん 
虚業の王 内田比呂です

 

金とセックス以外の何かを

 

「タカ!女ってのはな、お前が思ってるよりエロくて薄情だ」

ゴミ屋敷からホストのような風貌の酒井が出迎える。

『酒井、あんたも早く彼女でも作りなよ』と裸の女。

酒井と一発ヤッた後らしい…

あたりに漂うのは、汗の匂いかマリファナか  女の香水と腐臭が入り混じる。

 

片親の酒井は月40万家に入れている。

その時点で俺より立派だ。悪知恵が働く酒井は稼ぎがいい。

ヤツに本気で惚れる女もいたし、周りには常に女がいた。

酒井に負けず劣らずルックスが良いタカは対照的で、どんなにモテても彼女以外の女を相手にすることはなかったが、火遊びしながら金が欲しいことだけ俺たち三人に共通していた。

パチンコ 闇スロ 裏カジノ

夕方起きて夜から仕事の酒井は陽の光を浴びることがない。

帳尻を合わせ、職場から金をくすねるのが上手かった。

パチンコ、闇スロ、裏カジノ

エレベーターの上ボタンを押せば下に下がり、ドアが開けば鉄の扉。

 

退屈を殺す以外に夢中になれるものなど何もない。

気がまぎれるのは最初だけでも、酒井の庭で迎える朝が続いた。

 

満たされないまま…

 

数分で100万円失っても笑いながら帰っていく茶髪を見て羨むことしか出来なかった。

 

 

足がない時はタカがアメリカンで迎えに来た。

「楽しみたい…」が、タカの口癖。

「比呂君はいったい何を求めてるの?」

多国籍、フィリピーナと朝までバカをやった。

フィリピーナ

友達から譲ってもらった黒塗りのフルスモークを乗り回しながら、この頃の俺はこれから先どう生きていけばいいのか見当もつかない暗闇のなかにいた。

友達の通う彫り師のところへついて行き、友達への想いを忘れないために。
刺青 入れ墨 友達
こいつを右腕に彫った。

どんなに追いかけても つかまえられない幻獣、カリフォルニケーションが好きだったから胸にはユニコーンを。
ユニコーン カリフォルニケーション 幻獣

 

何かを変えたかった…

 

タカと同じ職場で働いたり、お互い仕事を紹介し合いながら、

同じ街に住む幽霊からの話をヒントに二人で輸入業を考えて、その為に必要なノウハウを盗むため、タカが貿易会社へ潜入したり兎に角色々模索した。

仕事は嫌だ。絶対に働きたくない。
人と上手くやっていくためだけに自分を殺すのは吐き気がする。

俺を正社員で雇ってくれる会社は世界中どこにもないと思っていたし、何より囚人服を着て満員電車で通勤するのはゴメンだった。

 

 

人は変わる

 

俺たちは夜を続けて、どうしようもなくて何かを探す。
夜に溶ける 人は変わる

 

いきなり何年も姿をくらます親友やあの娘の自殺未遂。

オーバードーズで逝ったヤツ、墓参りを欠かさず今もそいつを想い続けている女。

 

かつて留学中の彼女を一途に待ち続けたタカの姿も、もうそこにはなかった。

 

その後、酒井はスカウト会社を立ち上げた。新宿スワンさながらに…

壊滅させられてもヤツだけ逮捕を免れて、

それから金主を見つけてメンパブをオープンさせたり潰したり、女の家に転がり込んだりしながら消えた…

 

 

近日公開予定

俺と悪魔のノンフィクション ピカレスク コピーライティング